その保育園が近くにできてからというもの、私たちの平穏な日常は、少しずつ、しかし確実に崩れていった。
問題は、園そのものではなかった。子どもたちの声が響くことも、行事でにぎやかになることも、地域で暮らしていればある程度はお互い様である。だが、どうしても看過できなかったのは、保育園の関係者と思われる車が、こちらの契約駐車場をまるで自分たちの共有スペースであるかのように使い始めたことだった。
最初は一台だけだった。送り迎えの時間帯に、ほんの数分だけ停める。そうした“軽い気持ち”が見え透いていた。ところが、それを誰も咎めないまま時間が過ぎると、やがて一台が二台になり、二台が三台になる。気づけば、朝も夕方も、保育園の送迎らしき車が当然のように入り込み、契約者である私たちが自分の区画に車を停められない日まで出てきたのである。
苦情は何度も入れた。管理会社にも伝え、保育園側にも事情を説明した。だが返ってくるのは、いつも似たような言葉ばかりだった。
「気をつけます」
「保護者にも周知します」
「一時的なことだと思いますので」
その場しのぎの返答ばかりで、状況はまるで改善しない。むしろ、相手は“注意されても大したことにはならない”と学習したのか、以前より図々しさを増していった。特に行事のある日はひどかった。参観日、発表会、説明会――そうした日になると、こちらの駐車場は保育園関係者の臨時駐車場のような有様になったのである。
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