職場の恒例行事として、川沿いの公園でBBQが開かれた。
乾いた風に炭の匂いが混じり、紙皿とトングが行き交う。部署も年次も混ざる催しは、表向きは「親睦」だが、実際は段取りがすべてを決める。私は今回、幹事側として受付と進行を任されていた。
開始前の集合で、私は全体に声をかけた。
「今日は混雑を避けるため、最初に役割を分けます。火起こし、焼き担当、配膳、片付け。苦手な方は無理しなくて大丈夫です。希望があれば言ってください」
すると、後方に固まっていた若手の数人が、冗談めかして手を挙げた。
「僕ら、食べるチームです!」
「焼くより食べたい派です!」
周囲が笑い、場の空気も和む。だが、私はその言葉の軽さを、ただのノリで流さなかった。BBQは「誰かが働き、誰かが享受する」構造になりやすい。ここで曖昧にすると、結局は一部の人に負担が偏る。
私は笑顔のまま、淡々と返した。
「分かりました。じゃあ、役割を“チーム”として明確に分けましょう。食べるチームも、ちゃんと役割があります」
若手たちは「え?」という顔をしつつも、周囲の手前引けないのか、軽くうなずいた。私はその場でグループ分けを決めた。
焼き・火起こしチーム(中堅中心)
配膳・ドリンク管理チーム(事務・女性陣中心)
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