「夜中に足がつって目が覚めること、ありませんか?」
兵庫県・中山クリニックの整形外科専門医、中山先生は、静かに語り始める。その声には確かな説得力がある。夜間、突然足がつる――俗にいう“こむら返り”は、多くの人が経験する、しかし原因が意外と知られていない症状だ。
中山先生によれば、足がつるのは筋肉が突然収縮し、元に戻らなくなる状態で、特に夜間や運動中に多く発生するという。
「普段使わない筋肉を急に使ったり、準備運動なしに動くと、筋肉のバランスが崩れます」と先生。実際、大学時代に水泳部だった中山先生自身、練習に遅れてアップなしで泳ぎ始めた瞬間、左足がつり、続いて右足も――溺れそうになった経験があるそうだ。運動前のストレッチ、特に動きながら行う動的ストレッチの重要性は、経験談からも明らかだ。
さらに、足がつる原因は筋肉疲労だけではない。中山先生は「運動不足も大きな要因です」と説明する。筋肉を使わずにいると、少しの刺激でも異常収縮を起こしやすくなる。特に高齢者は、普段から運動を習慣化することが予防の鍵となる。
次に注意すべきは、水分不足だ。体内の水分が不足すると血液循環が悪化し、筋肉への酸素や栄養供給が不十分になる。
夏場や長時間の温泉・サウナ後は特に要注意で、「こまめな水分補給が大事です」と先生。血流不足も無視できない。長時間同じ姿勢で座る、冷えによって血管が収縮するなど、筋肉への血流が滞る状況は足のつりを誘発する。デスクワーク中の冷房風も、知らず知らずのうちにリスクを高めている。
そして最も見逃せないのが、ミネラル不足、特にマグネシウムの欠乏だ。
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