妹から連絡が来たのは、あの悪夢のような日々が終わってから、ちょうど三年が経った頃だった。
画面に表示された名前を見た瞬間、心臓がひやりと冷えた。もう二度と関わることはないと思っていた。いや、思いたかったというほうが正しい。私の妊娠中、心も体も不安定だったあの時期に、夫を奪っていったのは実の妹だったのだから。
当時のことは、今思い出しても胸の奥が鈍く痛む。
つわりがひどく、起き上がることすらつらい日が続いていた。夫は最初こそ優しかったが、次第に帰宅が遅くなり、どこか上の空になっていった。私が不安を口にしても、「妊娠して神経質になっているだけだろ」と面倒くさそうに言われるばかりだった。そんな時、よく家に出入りしていたのが妹だった。体調の悪い私を気遣うふりをして家事を手伝い、夫の好物を作り、私の代わりに買い物へ行く。あの頃の私は、まさか二人が裏でつながっているなど夢にも思わなかった。
けれど現実は、私が想像していたよりもずっと下劣だった。
ある日、夫のスマホに届いたメッセージを偶然見てしまい、すべてが明るみに出た。そこには妹からの、恋人に送るような甘えた文面が並んでいた。
問い詰めた私の前で、二人は最初こそ言い逃れをしたが、やがて開き直った。夫は「お前は妊娠してから女として見られなくなった」と言い、妹は「お姉ちゃんより私のほうが彼を理解してあげられる」と笑った。その瞬間、怒りよりも先に、血の気が引くほどの絶望が押し寄せたのを覚えている。
私はその後、子どもを守ることだけを考えて離婚した。妹とも縁を切り、実家とも距離を置いた。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください