私有地に見知らぬ車が停められていたのは、月曜の朝のことだった。
最初は業者か取引先の車かと思った。だが、時間が経っても持ち主は現れず、昼になっても夕方になっても車は微動だにしない。そこは俺が所有する土地で、資材の搬入や来客用の出入口として日常的に使っている場所だった。車が一台止まるだけで動線は塞がれ、仕事にも支障が出る。
現場の従業員たちも困り顔で、誰もが苛立ちを隠せずにいた。
フロントガラスには警告文を挟んだ。近隣にも確認した。だが反応はない。警察に相談しても、「私有地内の無断駐車はすぐに強制排除できない」と歯切れの悪い説明ばかりで、結局こちらが泣き寝入りするような空気が漂っていた。
しかし、そのまま放置する気はなかった。
「だったら、正規の方法で出入口を閉じるまでだ」
俺はそう判断した。もともと防犯対策として、私有地の出入口に鉄パイプ式のバリケードを設置する話は以前から出ていた。無断で侵入されること自体が問題だったからだ。今回の件は、むしろそれを実行する決定打になった。
すぐに業者へ連絡し、出入口の両側に頑丈な支柱を立て、鉄パイプを通して固定した。
もちろん、俺の土地の境界内での工事であり、必要な防犯措置でもある。結果として、違法駐車していた車は外へ出られない状態になったが、それは相手が勝手に入り込み、勝手に居座った結果に過ぎない。俺はただ、自分の土地を守るための設備を整えただけだった。
三日後の昼過ぎ、ようやく持ち主が現れた。
しかも一人ではない。制服姿の警察官を連れていた。
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