突然ですが、現在日本で最も罹患率が高いがんをご存知でしょうか。答えは「大腸がん」です。死亡者数でも男性は3位、女性は1位であり、誰にとっても無視できない恐ろしい病気です。近年、日本人の食生活の欧米化が大腸がんの増加に影響している可能性も指摘されています。
大腸がんの厄介な点は、初期には自覚症状がほとんどないことです。便の異常や腹部の違和感が出た時には、すでに進行しているケースも少なくありません。
そのため、疑わしい症状が現れた場合は速やかに病院を受診することが重要です。早期発見できれば、治療の選択肢も広がり、生存率も格段に向上します。
そもそも大腸とは、食べ物の通り道である腸の一部で、上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸の順で便が通過し、肛門から排出されます。大腸は水分や栄養の最終吸収を行い、残りの便を適度な固さに整えて排出する役割があります。そのため、腸の動きが悪いと便が硬くなり便秘になったり、水分不足で下痢になったりすることもあります。
大腸がんは特にS状結腸や直腸など肛門に近い部分にできやすいとされ、便が溜まりやすいことや形作られた状態の便が慢性的な刺激となることが影響していると考えられています。
初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると「血便」や「便の形の変化」「体重減少」などの症状が現れます。血便は、腫瘍が作る新生血管が便の通過で破れ出血することで起こります。大腸がん由来の血便は肛門近くで出るため鮮血として確認されます。
早期発見には便潜血検査が有効です。目で確認できない微量の血液も検出可能で、陽性であれば大腸カメラによる精密検査が推奨されます。
この検査により、ポリープの有無や良性・悪性の判断も行え、早期切除で大腸がんの進行を防ぐことができます。ポリープは切除しても再発する場合があり、日々の生活習慣も見直す必要があります。
大腸がんのリスクを下げる生活習慣としては、運動不足や肥満の改善、過度の飲酒を控えることが挙げられます。食事では、赤身肉の過剰摂取はリスクを高めるため、適度に白身肉や魚に置き換える工夫も有効です。
また、食生活全体で野菜や食物繊維を意識することが予防につながります。
検診の目安としては、50歳以上の方は毎年便潜血検査を受け、陰性でも10年以内に一度は大腸カメラを行うことが推奨されています。カメラが苦手な方も、10年に一度は挑戦する価値があります。早期発見と生活習慣の改善、この二つを組み合わせることで、大腸がんのリスクは大幅に低下させることができるのです。
大腸がんは決して遠い話ではありません。自覚症状のない段階でも、日々の体のサインや便の変化に注意を払い、定期的な検査を行うことが命を守る最も現実的な手段です。未来の自分のために、今日から一歩を踏み出してみましょう。