見知らぬ車が一週間も駐車場の同じ場所を占拠していた。
最初のうちは、誰かの来客用かと思っていた。だが二日、三日と過ぎても動く気配はなく、住人の間にも不満が広がっていく。そこは本来、契約者が日常的に使う区画のすぐ脇で、車の出し入れにも影響が出る位置だった。しかも、その車のせいで駐車場の一角にできていた破損部分の補修作業まで止まったままになっていた。
管理人に苦情は入っていたらしい。しかし相手が誰なのかも分からず、警告文を貼っても反応はない。電話をしても警察はすぐには動けない。そんな煮え切らない状況の中で、俺はふと、別の角度から考えた。
「駐車場で破損のある場所をセメントで補修していいですか~?^^」
半ば冗談めかして管理人にそう聞くと、管理人は現場を見たうえであっさり言った。
「そこ、前から直したかったんだよ。危ないし、やってくれるなら助かるよ」
もちろん、俺は違法駐車の車そのものに何かをするつもりだとは一言も言っていない。あくまで“破損箇所の補修”だ。許可を得た以上、作業を進めること自体に問題はなかった。
翌日の朝、俺はホームセンターで買ってきた補修材と道具を手に、問題の場所へ向かった。
見知らぬ車は相変わらずそこに居座っている。近くで見ても、持ち主が戻ってきた気配はまるでない。俺は淡々と作業を始めた。ひび割れたアスファルトの周囲を整え、型を作り、セメントを流し込む。車のすぐ脇を避けながら進めたが、問題の車は補修箇所のすぐ際に停められていたせいで、結果として片側のタイヤ周辺は新しいセメントにぴたりと接する形になった。
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