六十歳を過ぎたら、腎臓の声を聞き逃してはいけない。
腎臓は、悪くなってもすぐには痛みを出さない。黙ったまま、毎日血液をろ過し、余分な水分や老廃物を尿として外へ出している。だからこそ怖い。気づいた時には、すでに働きが大きく落ちていることがあるのだ。
「年のせいだと思っていたんです」
七十一歳の佳子さんも、最初はそう考えていた。
朝起きると目の周りが腫れぼったい。夕方には靴下の跡が深く残る。階段を上ると息が切れ、夜になると足がつる。それでも彼女は、疲れや運動不足だと思い込んでいた。
異変に気づいたのは、健康診断の結果を見た娘だった。クレアチニンとeGFRの数値が以前より悪くなっていたのだ。尿検査でも蛋白が指摘され、医師から「腎臓を守る生活に切り替えましょう」と告げられた。その瞬間、佳子さんの顔から血の気が引いた。
腎臓が弱る前に出る危険サインは、決して派手ではない。尿の泡がなかなか消えない。尿の色が濃い、赤っぽい。顔や足がむくむ。疲れが抜けない。皮膚がかゆい。食欲が落ちて胃がむかつく。夜中に足がつる。
そして、少し動いただけで息が切れる。
どれも、日常の小さな不調に見える。だが二つ以上重なるなら、放置してはいけない。
特に危ないのは、毎日の習慣だ。味噌汁やラーメンの汁を最後まで飲む。ハムやソーセージ、カップ麺、菓子パンをよく食べる。健康のためと思ってプロテインを多く取る。膝や腰が痛むたびに痛み止めを飲む。晩酌の量が増え、塩辛いつまみが欠かせない。
これらは一つ一つは小さく見えても、腎臓には重い負担になる。
佳子さんは、まず汁物を半分残すことから始めた。加工食品を減らし、痛み止めは自己判断で続けず、医師に相談した。散歩は一日三十分。果物は食べ過ぎず、ブルーベリーやりんご、みかんを少量楽しむ形に変えた。
数カ月後、彼女は言った。
「怖かったけど、知ってよかった。知らないままだったら、もっと悪くしていたと思います」
腎臓を守る第一歩は、特別な健康食品ではない。検査結果を見ること。尿とむくみを観察すること。塩分、加工食品、薬、お酒の習慣を見直すこと。
六十歳を過ぎた体は、まだ変えられる。腎臓は静かだが、決して何も伝えていないわけではない。小さなサインに気づいた人から、未来の生活を守ることができる。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ZcBvQCYwJCc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]