みなさんは、日本の街を本物の象が歩いた時代があったことをご存じでしょうか?
今でこそ動物園で見ることのできる象ですが、江戸時代の人々にとって象は“伝説の生き物”のような存在でした。絵や噂では知っていても、実際に見た人はほとんどいません。
そんな時代、1729年4月28日。交趾国(現在のベトナム)から献上品として、一頭の象が日本へやって来ました。
この出来事にちなんで、4月28日は 「象の日」 とされています。
今日は、日本中を驚かせた“象来日事件”についてご紹介します。
1729年(享保14年)のこの日、清の商人が象を連れて日本へ到着。その象はまず長崎に上陸し、その後京都へ運ばれ、中御門天皇の御前で披露されました。
現代では海外から珍しい動物が来ることもありますが、当時は情報も交通も限られていた時代です。
突然、巨大な体に長い鼻、大きな耳を持つ見たこともない生き物が現れたらどうでしょう。
人々が驚き、熱狂したのも当然だったかもしれません。
さらに驚くのは、その移動方法です。
象は最初に長崎港へ到着したあと、なんと 江戸まで歩いて連れて行かれました。
現在の感覚では信じられませんが、当時は大型動物専用の輸送車もなく、鉄道もありません。
そのため、象自身が歩いて移動するしかなかったのです。
道中、人々は次々と集まり、「本当に象だ!」「鼻が動いている!」「こんな大きな獣が世の中にいるのか!」
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