東京・元赤坂の明治記念館で開かれた第五十八回愛育班員全国大会。壇上に立たれた紀子さまは、地域で子育て支援に尽力してきた人々へ、穏やかな声で感謝を述べられた。
「必要な時に助けてくれる人、優しく寄り添ってくれる人がそばにいるのは、どんなに心強いことでしょう」
本来なら、母子を支える活動への敬意として受け止められるはずの一言だった。ところが、その言葉が報じられた直後、ネット上には冷たいざわめきが広がった。「寄り添う」という美しい言葉が、過去の皇室をめぐる記憶とあまりにも強く結びついてしまったからである。
多くの人が思い出したのは、二〇〇四年のいわゆる「人格否定発言」をめぐる一連の出来事だった。当時、皇太子妃だった雅子さまは、重い心身の不調に苦しまれ、長い療養生活に入られていた。現在の天皇陛下は、雅子さまの人格や歩みが傷つけられてきたことを示唆し、妻を守るように言葉を発せられた。
しかし、その後の会見で秋篠宮さまは「非常に残念」と語られた。さらに、当時のやり取りとして今も語られる「あなたは病気ですか」「いいえ、私は病気ではありません」という場面は、多くの人の記憶に鋭く残っている。病に苦しむ人に対する配慮を欠いたものだったのではないか――そう感じた人々にとって、今回の「寄り添う」という言葉は、あまりに重い皮肉のように響いたのである。
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