かつて街角に並ぶ公衆電話の前に長蛇の列ができていたあの光景を覚えていますか？ 時代が進み、携帯電話が当たり前の存在となった今、その風景はすっかり消え去り、公衆電話は過去の遺物のように感じられるかもしれません。しかし、その存在が完全に忘れ去られたわけではありません。実は、公衆電話の利用者は減少の一途をたどりながらも、いまだに重要な役割を果たしているのです。

公衆電話の衰退と利用者減少の背景

携帯電話が普及し始めた1990年代後半から、次第に公衆電話の需要は薄れ始めました。かつては人々が連絡手段として欠かせなかった公衆電話も、今ではほとんどの人が「最近使った記憶がない」と答えるのが現実です。調査によると、「過去1年間に公衆電話を利用していない」と答えた人の割合は70％を超えており、その数は今後も増える見込みです。

公衆電話の存在が薄れていく中で、政府はこれに対する対策として、公衆電話の台数を全国で現在の4分の1程度に減らす計画を進めています。この減少は、一見すると時代の流れに沿った自然な現象のように思えますが、実はその裏にはいくつかの重要な問題が潜んでいるのです。

大規模通信障害が示した公衆電話の必要性

2023年7月初旬、KDDIによる大規模な通信障害が発生しました。

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