高齢妊娠で病院へ行ったら、診察室に“元夫(医師)”。
「48で出産?あり得ない、笑」――私は静かに息を吸った。
私は神木真紀子、48。再婚後、思いがけず授かった命。リスクは承知、それでも産むと夫と決めた。紹介で選んだ総合病院、産科の先生は親身。
だがその日、内科の応援に来たのが“上村”。10年前に私を「ババア」と切り捨て、浮気で離婚した元夫だった。
彼は患者の前で大声で笑う。「この年で妊娠?迷惑だろ。うちの病院はセレブが多いんだ、恥をかく前に帰れば?」
胸の奥が冷える。けれど私は黙らない。「あなたに言われる筋合いはない。私は患者です」
看護師が小声で制す。「先生、その方は…」
「何だよ」
「神木グループのご子息の奥さまです。多額の寄付者で、当院の大切な患者さまです」
空気が止まる。彼は青ざめ、「嘘だろ…こいつは俺の――」
「赤の他人です。医師としての暴言、恥ずかしくないの?」私は淡々と言い切った。
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