赤染衛門（あかぞめえもん）は、その鋭い視点で藤原近等の昇進に寄与し、内助の功で学者の夫・大江匡平（おおえのまさひら）を支え続けた女性です。彼女は源雅信（みなもとのまさのぶ）の寧府に仕えてから、頼子やその息子たちから風習や作法のすべてを教え込まれました。そして、雅信の娘徳子（とくし）の女房として仕え、夫との仲睦まじい関係から藤原道長や徳子に「昌平衛門（しょうへいえもん）」

若かりし頃の赤染衛門は、学者としても名高い大江匡平との出会いから始まります。匡平は祖父・大江匡衡（おおえのこれひら）の影響で幼少の頃から学問に励み、成長するとともにその秀才ぶりが周囲に認められるようになりました。赤染衛門は、そんな匡平の姿に心惹かれつつも、彼の見た目や性格に一抹の不安を抱いていました。匡平は非常に真面目な性格で、漢詩や論語を愛する知識人でしたが、彼の容姿が赤染衛門の理想とはかけ離れていたためです。

ある日、法会の最前列に座る彼の姿が目に留まりました。彼の姿勢と真剣な表情に魅了されつつも、彼が普段から真面目一徹な人物であることを再確認します。その後、匡平との文通が始まり、恋愛歌を交わすほど親密な関係に発展しました。しかし、匡平の病弱さや彼の異なる価値観が結婚をためらわせる要因となっていました。

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