出世には能力だけではなく、人事権を持つ者に気に入られることが大事ですが、彼はその点で少し苦労した人物です。しかし、その結果、藤原行成は一条天皇にとても愛されたのです。
藤原行成(ゆきなり)は、天禄三年(972年)に生まれました。藤原氏の一族に生まれた彼は、順調にいけば将来の大臣候補とされた存在でした。しかし、若くして父を失った行成は、大祖父である源の安満の庇護を受けて育ちます。
行成の運命が大きく変わるのは、彼が二十四歳で「蔵人頭」に任命された時です。蔵人頭は天皇に極めて近い存在であり、その職務は天皇と臣下、特に大臣との間を取り持つものでした。通常は三年間務めることで昇進するこの職務に、行成は六年間も留まることになります。しかし、これは彼の有能さと誠実さから、一条天皇が手元に置いておきたかったからです。
一条天皇が行成を気に入ることとなった逸話として、一度、藤原道長が天皇に賛成しかねる案件を持ち込んだ際に、行成がその説得役を担当しました。行成は道長の希望に対して一条天皇が納得できる理由を述べ、天皇を説得することに成功しました。このことが信頼関係を深め、一条天皇は行成を非常に信頼するようになりました。
行成が蔵人頭に任命された直後、一条天皇と行成との間には深い信頼関係が築かれました。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=yo5ZLa3UUV8,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]