第三十五話は緊張感が漂う中で進行しました。先の第三十四話で真ひが書いた物語が都で人気となり、その余波で様々な事件が持ち上がります。

物語の冒頭、藤原道長は娘である中宮・明子の解任祈願のために金峰山に出発する準備を進めています。一方、武者たちは既に道長の一行を狙って先回りしていました。山道を進む中、道長の表情は険しく、疲労感が漂っています。

同じ頃、藤原氏の一族とは異なる局面で、一条天皇もまた新たな物語を手にしていました。真ひの物語に描かれた白い屋敷の話に恐ろしさを覚えつつも、真ひは「六条の気持ちもわかる」と答えます。そのやりとりの中、一条天皇は中宮・明子を解任するという藤原道長の意図に疑問を持ち始めます。

道長が金峰山に到着した際、数々の儀式を終え、自ら書き写した経典を供養塚に埋めました。しかし、谷底の一本道で待ち伏せしていた武者たちが、道長を襲撃しようと弓を放つ瞬間、突然馬に乗った男性が姿を現し、その場を中断させました。都に戻った道長は、金峰山での儀式の成功を報告し、明子と真ひとの間に大きな変化がないことを確認します。

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