藤原道隆の娘たち、特にその長女である定子(藤原貞子)は、平安時代に生きた薄幸の女性として知られています。彼女を描く大河ドラマ『光る君へ』では、高畑充希さんが美しくも悲しい定子を見事に演じ、その繊細な表現が視聴者の心を強く揺さぶっています。
定子の運命は、彼女の結婚生活と家族の権力闘争によって次第に厳しいものとなり、薄幸の女性としてその後の日本史に名を残すこととなりました。
定子は、父・藤原道隆の権力のもと、わずか15歳で一条天皇の中宮として迎えられました。この結婚は、当初は非常に栄華を極めたものでしたが、父の死とともに状況は一変します。995年、道隆が急逝すると、彼の弟・藤原道長が政権を掌握し、定子とその家族に暗い影を落としました。道長は、定子の兄・藤原伊周との権力闘争を繰り広げ、伊周は敗北。これにより、定子は天皇の妃でありながら、次第に宮中での立場を失っていきます。
さらに、伊周が引き起こした不祥事によって定子は出家に追い込まれ、一度髪を切ってしまいます。当時の規範では出家した女性が皇子を産むことは前代未聞であり、これにより彼女はますます孤立していきました。
定子は一条天皇との間に二人の皇子をもうけましたが、第二皇子を出産した直後にわずか24歳で亡くなってしまいます。
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