仕事を終えて帰宅した私を待っていたのは、玄関の前に置かれた、とんでもない段ボールだった。
箱には黒いマジックで、大きくこう書かれていた。
「うんち入り」
「うんこ入り」
「くそ入り」
しかも、上には「佐川様へ ドアのすぐ前に置いてください」とまで書いてある。
「……何これ?」
私は思わず立ち止まった。
誰かの嫌がらせ?
それとも、悪質ないたずら?
マンションの廊下に、こんなものを置く人がいるなんて信じられなかった。
しかも、私の部屋のドアの真正面。
わざわざ私に見せつけるように置いてある。
一瞬、管理会社に連絡しようかと思った。
でも、よく見ると宅配便の伝票が貼られている。
送り主の名前を確認した私は、さらに驚いた。
実家の母だった。
「お母さん、何を送ってきたの……?」
嫌な予感がしながらも、私は段ボールを部屋の中へ運び込んだ。
箱を開ける前に、もう一度、あの文字を確認する。
どう考えても、まともな荷物には見えない。
恐る恐るガムテープを剥がすと、中から新聞紙が何枚も出てきた。
その下には、立派なナスが5本。
キュウリが6本。
真っ赤なトマトに、じゃがいも、玉ねぎ。
さらに、手作りの梅干しや漬物まで入っていた。
一番下には、私が子どもの頃から大好きだった地元のお菓子まで。
箱いっぱいに詰められた食べ物を見て、私は思わず笑ってしまった。
さっきまで嫌がらせだと思っていたのに。
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