「お客様、何か問題がございましたか?」
ラーメン店のレジで、私は店員に伝票を突きつけた。
そこには、信じられない文字が書かれていた。
「バカ」
一瞬、自分の目を疑った。
客の名前を書く欄に、まさかこんな言葉を書くなんて。
私は40代の会社員。
休日の昼、近所で評判のラーメン店に立ち寄った。
店内は満席で、入口には数人の客が並んでいた。
私も名前を記入して、スマホを見ながら順番を待っていた。
しばらくすると、店員が私を呼んだ。
ところが、ちょうど動画を見ていた私は、すぐに気づかなかった。
「次のお客様!」
2度目に呼ばれて、ようやく顔を上げた。
「あっ、すみません!」
慌てて立ち上がり、店員に頭を下げて席へ向かった。
その時は、少し待たせてしまったことを申し訳なく思っただけだった。
注文したのは、塩ラーメンとあっさりラーメン、そしてソフトクリーム。
ラーメンは思った以上に美味しかった。
スープも最後まで飲みたくなるほどで、休日の昼食としては大満足だった。
ところが、食べ終わって会計をしようとした時、すべてが変わった。
伝票を手に取ると、名前の欄に大きく書かれた文字が目に入った。
「バカ」
私は思わず伝票を持ち直した。
見間違いではない。
どう見ても「バカ」と書いてある。
頭の中に、さっきの出来事がよみがえった。
店員を呼んでもすぐに反応しなかったこと。
2度目に呼ばれて慌てて席に向かったこと。
まさか、あの時のことを根に持っていたのだろうか。
それとも、店員同士で客を馬鹿にしていたのか。
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