「唐揚げが大きすぎる。サラダは草みたいだし、玄米なんて硬くて食べられない。普通の白米にしてくれよ」
朝食のテーブルで夫が放った一言に、私は思わず箸を止めた。
また始まった。
結婚して12年。
私は夫の健康を考えて、毎朝できるだけ栄養バランスの取れた食事を作ってきた。
野菜を増やし、揚げ物を控え、白米を玄米に変えた。
夫が健康診断で血糖値を指摘されたこともあり、少しでも体にいいものを食べてほしかったからだ。
ところが、夫から返ってくるのは感謝ではなく、毎日のような文句だった。
「唐揚げはもっと小さく切れよ」
「サラダはもっと食べやすくしろ」
「玄米なんか年寄りの食べ物だろ」
私は何度も作り方を変えた。
唐揚げを小さくすれば、今度は「食べ応えがない」。
野菜を細かく切れば、「見た目が悪い」。
白米に戻せば、「健康のことを考えていないのか」と言う。
結局、何を作っても文句を言われる。
それでも私は、夫のためだと思って我慢していた。
しかし、ある朝、テーブルに置かれた夫のメモを見て、とうとう限界が来た。
そこには、細かい注文が3つ書かれていた。
・唐揚げが大きすぎる。もっと小さくしろ。
・サラダが草みたいだ。腹が膨れない。
・玄米にするな。白米に戻せ。
私はその紙をしばらく見つめた。
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