「酒は飲んでも飲まれるな」
昔から何度も聞いてきた言葉だ。
しかし、自分の意思とは関係なく飲まされ続けた場合、いったいどうすればいいのだろうか。
土井幸也、二十五歳。どこにでもいる普通の会社員だ。
趣味も特技も、これといって誇れるものはない。
仕事が終わればまっすぐ家へ帰り、休日は外へ出ることもなく、ただベッドの上で時間を過ごす。
アニメを見るわけでも、ゲームに熱中するわけでもない。ただ何となく一日が終わっていく。
そんな生活を続けていても、一人暮らしの自分を責める人間はいない。
自由と言えば自由。
寂しいと言えば寂しい。
自分でも、それが幸せなのか不幸なのか判断できない毎日だった。
だが、数年前までの俺は違った。
休日にはカフェを巡り、美味しいコーヒーを探すことが好きだった。静かな店内で過ごす時間は、俺にとって大切な癒やしだった。
そんな自分が変わってしまった原因は、間違いなく仕事だった。
配属された部署で待っていたのは、想像以上の重圧だった。
「土井、頼んだ資料はまだか?」
「すみません。他の仕事が重なっていて……」
「言い訳はいい。できるまでにしておけ」
俺に仕事を押し付けてくるのは、先輩社員の近藤だった。
入社当初、俺を指導してくれた桜井先輩は、本当に優しい人だった。仕事の教え方も丁寧で、俺が同期より早く成長できたのは、間違いなく彼のおかげだった。
しかし、その桜井先輩が転勤になり、代わりに担当になったのが近藤だった。
最初から彼は指導する気などなかった。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=GqXqAgkVl1g&t=3s,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]