1980年の1月、冷たい風が吹きつける冬の日。私は大学を中退して就職したばかりの会社へ向かう途中、姉から譲り受けたトヨタ・セリカで雪道を走行していた。道路は雪で覆われ、路面はツルツルとした氷のように滑りやすかった。突然、四輪全てがスリップし、車は無情にもガードレールに突っ込んでしまった。
運転席のドアは完全に潰れたものの、幸い私には怪我一つなかった。修理をすれば直せる状態だったが、修理費用は新入社員の私にとって大きな負担だった。何よりも、事故のショックから、別の車に乗り換えたいという思いが強まったのだ。
新しい車を探し始めた私は、改造部品が豊富なL20型エンジンを搭載した日産車に強い興味を抱いていた。しかし、憧れのローレルもケンメリも、その価格は高く、手が届かない。
「お前さん、ブルーバードU HT2000GT-Xって車を知っとるか?」
その名前は聞き慣れないものだったが、整備士のおっちゃんは続けて説明してくれた。
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