オランダと日本の関係には、長い歴史の中で幾度もの波乱がありました。特に第二次世界大戦の影響で、オランダ国民の中には日本に対して複雑な感情を抱いている人々が多かったのです。そんな中、天皇皇后両陛下はその深い歴史を正面から受け止め、両国の架け橋として尽力されました。彼らの温かい心が、両国の友好関係を築き上げたのです。
江戸時代から始まった日本とオランダの関係は、長らく良好なものでした。しかし、第二次世界大戦が勃発すると、状況は一変。オランダは日本に宣戦布告し、日本軍がオランダの植民地であったインドネシアを占領したことで、両国の関係は急速に悪化しました。
戦後もオランダの反日感情は強く、1971年に昭和天皇がオランダを訪れた際には、抗議の一環として市民が卵を投げつけるという事件が起きるほどでした。その後も交流は途絶え、両国の間には深い溝が生まれました。
その関係に転機が訪れたのは、1995年のこと。日本政府が村山談話を発表し、植民地支配と侵略によってもたらされた苦痛について謝罪を表明したのです。これをきっかけに『平和友好交流計画』が始まり、両国の関係は少しずつ修復の道を歩み始めました。
そして、両国の友好関係を決定的にしたのが、2000年に実現した天皇皇后両陛下のオランダ訪問です。
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