国会が久々に「ドラマ」の舞台となった一日がある。傍聴席もテレビ越しの視線も、誰もが息をのんだその瞬間、静かに立ち上がったのは、かつて「ポエム発言」で揶揄された小泉進次郎氏だった。
発端は、台湾情勢の緊張である。
高一防衛大臣が「台湾有事は、場合によっては存立危機事態となり得る」という、政府の従来方針に沿った現実的な認識を述べたことから、物語は動き出した。地理的にも経済的にも、日本が台湾海峡の危機と無縁ではいられないことは、専門家ならずとも理解できる。だが、その一言に敏感に反応したのが、立憲民主党の岡田克也氏だった。
岡田氏は、二十分を超える異例の長時間にわたり、高一大臣に執拗な追及を重ねた。質問は、政策の本質というより、あくまで「失言」を引き出す方向へとねじ曲げられていく。言葉尻をとらえ、罠へ誘導するような質疑に、国会中継を見守る視聴者の間には「これは本当に国のための議論なのか」という違和感が広がった。
一部メディアは、この流れに乗る。
高一大臣の発言を「危機をあおる失言」と位置づけ、連日のように批判的な報道を展開した。しかし、インターネット上の世論は、必ずしもそれに追従しなかった。「むしろ高一大臣の方が現実的だ」「岡田氏の追及こそ焦点がずれている」といった声が、静かに、しかし確実に広がり始めていたのである。
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