「お一人様ですか? 申し訳ありませんが、カウンター席でお願いします」
店員の声には、ほんの少し面倒そうな響きがあった。
私は「はい、大丈夫です」とだけ答え、案内されたカウンター席に座った。
その日は、仕事で大きな案件がようやく片付いた日だった。
誰かと予定を合わせる気分でもない。
だからこそ、以前から気になっていた海鮮料理店で、自分へのご褒美を楽しむことにした。
店内は週末らしく賑わっていた。
テーブル席では家族連れやグループ客が楽しそうに話している。
一方、カウンターには私のほかにも数人のお客さんがいた。
メニューを開くと、旬の牡蠣やカキえもん、焼き牡蠣、刺身、そして普段はなかなか飲めないビールが並んでいた。
「せっかくだから、今日は好きなものを食べよう」
私は注文を始めた。
焼き牡蠣。
生牡蠣。
牡蠣のガーリックバター焼き。
ほかにも気になった料理を少しずつ頼んだ。
飲み物も注文し、目の前に運ばれてくる料理をゆっくり味わった。
店員さんが料理を置くたびに、「ありがとうございます」と伝えた。
食べ終わった皿は邪魔にならないようにまとめ、カウンターを汚さないよう気をつけた。
誰かと話す必要もない。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください