「えっ、これ読めないの?」
中学3年生の息子に国語の問題集を見せられた私は、思わず固まってしまった。
受験まであと数か月。
息子は毎晩、机に向かって勉強している。
普段は「勉強しなさい」と口うるさく言っている私だが、今日は珍しく息子から質問してきた。
「ねえ、この53番と56番、読める?」
私は自信満々に問題集をのぞき込んだ。
ところが、53番の「雑踏」という文字を見た瞬間、頭の中が真っ白になった。
「えっと……ざ、ざっとう?」
息子が首をかしげる。
「違うの?」
私は慌てて答えを確認しようとしたが、手元には解答がない。
続いて56番。
「祖母の柔和な顔」
「これは……じゅうわ? それとも、にゅうわ?」
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