「ちょっと待って……これ、外で使うつもりなの?」
夫が買ってきたレジャーシートを広げた瞬間、私は自分の目を疑った。
白っぽい生地に、かわいい犬やクッキーのイラスト。
一見すると、普通にかわいいレジャーシートだ。
ところが、問題はイラストではなかった。
あちこちに印刷されている謎の文字。
「のがチンす」
……のがチンす?
私は思わず、シートを裏返した。
しかし、裏返しても文字は消えない。
「ねえ、あなた。これ、何て書いてあるか分かってる?」
夫はスマホを見ながら、あっさり答えた。
「え? 犬が描いてあってかわいいじゃん。安かったから買ったんだよ」
「いや、犬の話じゃないの! この文字!」
私は問題の部分を指差した。
夫はようやくシートに目を向けた。
「……ああ、本当だ。なんだこれ?」
その反応に、私はさらに頭を抱えた。
夫が買ってきたのは、週末の公園で使うためのレジャーシートだった。
翌週、子どもたちの友達家族とピクニックに行く予定があった。
夫は「新しいシートを買っておくよ」と張り切っていたのだ。
私は内心、少し楽しみにしていた。
ところが、これでは話が違う。
「こんなの持って行ったら、絶対に文字を読まれるじゃない!」
「別にいいだろ。誰もそんな細かいところ見ないって」
「見るよ! こんなに大きく書いてあるんだから!」
夫は笑いながら、シートをもう一度広げた。
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