「こんなの小学生の問題だろ?答えなんて、図を見ればすぐ分かるよ!」
休日の昼下がり、リビングのテーブルに置かれた算数の問題を見て、夫が自信満々に言った。
小学5年生の息子が、学校の宿題を持って帰ってきたのだ。
問題は、少し変わった形の図形の周りの長さを求めるものだった。
図には、縦の長さが21cm、下の横の長さが13cm、内側の横の長さが14cmと書かれている。
それ以外の辺には、数字がひとつも書かれていない。
「お母さん、これって全部の辺の長さを足すんじゃないの?」
息子が鉛筆を握りながら尋ねた。
「そうね。でも、数字が書いていない辺もあるでしょう?そこをどう考えるかが大事なのよ」
私がそう答えると、夫は横から口を挟んだ。
「いやいや、こんなの適当に長さを推測すればいいんだよ。図を見た感じ、全部足したら80cmくらいじゃないか?」
「でも、先生は正確な答えを出しなさいって言ってたよ」
息子が反論すると、夫は笑った。
「だったら、定規で測ればいいだろ」
私は首を横に振った。
「図形の問題は、絵の見た目で長さを決めるものじゃないの。書いてある数字だけで考えられるはずよ」
夫は少しむっとした様子で、私に言った。
「じゃあ、君は分かるのか?」
私は返事をせず、ノートを引き寄せた。
「まず、この図形をよく見てみよう」
私は左側の縦の辺を指さした。
「ここは21cmね。図形の上から下までの高さが21cmということ」
次に、下側の横の辺を指さした。
「そして、ここが13cm。内側の横の辺は14cm」
息子はうなずいた。
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