午後5時42分。
買い物帰りに住宅街の道を走っていた私は、また同じ場所でブレーキを踏んだ。
「……またか」
目の前には、近所の家の駐車場から道路側へ大きく突き出した黒いSUVがあった。
正確には、車の大部分は敷地内に収まっているように見える。
しかし、フロントバンパーの先端が道路側へ出ているように見えるのだ。
しかも、その家が面している道路は決して広くない。
対向車が来ると、ただでさえ慎重にすれ違わなければならない道幅だった。
そこに車の先端が出ていると、さらに通りにくくなる。
私は対向車が通過するまで待ち、ゆっくり車を進めた。
「毎回ここで止まるの、本当に面倒……」
この家の前を通るたびに、同じことを思っていた。
最初に気づいたのは、3か月ほど前だった。
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