長距離運転の途中、私はロードサイドにある古いモーテルへ入った。
夜も遅く、近くにほかの宿泊施設は見当たらなかった。
外壁には汚れが目立ち、看板の照明もところどころ切れている。
それでも、料金は宿泊8,800円と比較的安かった。
ショートタイムなら4,400円、休憩なら5,900円と書かれていたが、私はそのまま泊まることにした。
部屋へ入ると、設備は最低限そろっていた。
ベッド、古いテレビ、小さな冷蔵庫、そして机の上に1冊のノートが置かれていた。
表紙には何も書かれていない。
宿泊者が自由に感想を書くためのノートだと思い、私は何気なくページを開いた。
最初に目に入ったのは、手書きの文章だった。
「10年の記念で来ました」
「美代子の体はやはり最高だ」
「最高だと思ったよ」
最後には「貴男」と署名されている。
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