
「母ちゃんから突然のSOS……!」
その日、私は平穏な休日を過ごしていたはずだった。 しかし、スマホから鳴り響いた母からの焦った様子の電話と、直後に店内で響き渡った「お客様、お車のナンバー〇〇番の方、至急お戻りください」という冷徹な店内放送。
ただ事ではない予感を抱きながら駐車場へと急行した私を待ち受けていたのは、目を疑うような地獄絵図だった。
そこには、私がプレゼントしたばかりの真っ白な愛車に、別の白い軽自動車が猛烈な勢いで突き刺さっているという、信じられない光景が広がっていた。 相手の車のボンネットは衝撃でグニャリと折れ曲がり、我が家の愛車のサイドボディにガッチリと食い込んでいる。 一歩間違えれば、車内にいた母や、ちょうどその脇を歩いていた歩行者が巻き込まれていてもおかしくない、大惨事一歩手前の修羅場だった。
「いったい何が起きたの…!?」
駆け寄ってきた母は顔面蒼白で、声すら震わせていた。
話を聞けば、母が買い物を終えて車に戻ろうとした矢先、突後背後から凄まじい爆音とともに、コントロールを失った車が突っ込んできたという。
車を運転していたのは、高齢の男性ドライバーだった。
ニュースやワイドショーで連日耳にする、いわゆる「アクセルとブレーキの踏み間違い」による暴走事故が、まさに目の前で起きたのだ。
「もし、母がもう少し早く車から降りて歩いていたら……」
「もし、駐車している車がなくて、そのまま店のガラスを突き破って店内に突っ込んでいたら……」
そう想像しただけで、怒りと恐怖で全身の血が逆流するような感覚に襲われた。
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