「あと数センチいけるだろ? ここで止めたら負けだぞ(笑)」
昔、営業車に乗っていた頃の私は、今思えばとんでもない遊びをしていた。
写真のように、車の横と建物の壁との隙間をギリギリまで詰めて停める。
同僚たちと、どこまで寄せられるかを競っていたのだ。
当時の私は、それを運転技術の腕試しだと思い込んでいた。
「お前、まだ余裕あるじゃん!」
「いや、これ以上はミラーが危ないだろ!」
「大丈夫、大丈夫。俺の感覚を信じろって!」
そんな会話をしながら、営業先の駐車場や会社の敷地で、何度もギリギリを攻めていた。
今考えれば、笑い話では済まない。
ある日の午後、私は取引先への訪問を終え、会社に戻ろうとしていた。
駐車場の脇には、壁との隙間がほとんどない細い通路があった。
そこを見た同僚が、ニヤニヤしながら言った。
「なあ、ここで限界まで寄せてみろよ。お前ならいけるだろ?」
私はつい意地になった。
「見てろよ。これくらい余裕だって」
周囲を確認し、慎重に車を動かした。
壁との距離がどんどん狭くなる。
ミラーと壁の隙間は、目で見てもギリギリだった。
同僚は外から眺めながら、面白がっていた。
「おお、すげえ! もうちょい!」
私はアクセルを踏む足を止め、ハンドルを切った。
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