自転車を買ってもらった翌朝、息子は朝6時前に起きた。
いつもなら、どれだけ声をかけても布団の中で丸くなっている。
「あと5分」
「まだ眠い」
そう言って、なかなか起きてこない子だ。
それなのに、その日は違った。
まだ外は少し薄暗い時間。
台所でお茶を飲もうとしていた私の後ろで、パタパタと小さな足音がした。
振り返ると、息子がもう着替えて立っていた。
髪は寝ぐせだらけ。
目もまだ半分しか開いていない。
でも、顔だけは妙に真剣だった。
「自転車、見に行っていい?」
思わず笑ってしまった。
昨日、ずっと欲しがっていた自転車を買った。
店で選ぶ時から、息子の目はずっと輝いていた。
色を見て、ベルを鳴らして、サドルにまたがって、何度も「これがいい」と言った。
帰ってきてからも、玄関の近くに置いた自転車を何回も見に行っていた。
「明日、明るくなったら乗ろうね」
そう言って寝かせたのに、息子の中ではもう朝だったらしい。
「まだ6時前だよ。
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