「答え、何だと思う?」
夕飯のあと、家族でぼんやりテレビを見ていたとき、妹がスマホを私の前に差し出してきた。
画面には、食べ物に関するなぞなぞのような問題が表示されていた。
最初は、よくある簡単なクイズだと思った。
子ども向けの、ちょっと考えれば分かるようなもの。そう思って、私は軽い気持ちで画面をのぞき込んだ。
ところが、問題文を読んだ瞬間、手が止まった。
「え、そんな食べ物ある?」
思わず声が出た。
妹も同じ顔をしていた。
「でしょ?私も分からないの」
母は横からのぞき込み、「果物じゃない?」と言った。父は「いや、魚だろ」となぜか自信満々に言った。弟はすぐに検索しようとしたけれど、妹が慌てて止めた。
「検索禁止!ちゃんと考えて!」
そこから、なぜか我が家の本気の推理大会が始まった。
紙とペンを出して、思いつく食べ物の名前を書き出す。野菜、果物、肉、魚、麺類、和菓子、洋菓子。冷蔵庫の中身まで確認した。
でも、どれもしっくりこない。
「これ、問題が間違ってるんじゃない?」
私がそう言うと、妹は真顔でうなずいた。
「私もそう思ってる」
そのとき、母が突然、昔の記憶を話し始めた。
「そういえば、おばあちゃんが変な名前の食べ物を作ってたよね」
その一言で、空気が少し変わった。
祖母は料理が得意だったけれど、地域の古い呼び方をよく使っていた。私たちが知らない名前の食材や料理を、当たり前のように出してくる人だった。
「あれじゃない?昔、畑で採れたやつ」
「いや、それは食べ物というより野菜でしょ」
「でも名前だけ聞いたら絶対分からないよ」
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