腹痛が始まったのは、4日前の夜だった。
最初は食べすぎたのだと思った。
夕食後、お腹が張って、何となく苦しい。トイレに行けば治るだろうと考えていた。
ところが翌朝になっても、違和感は消えなかった。
「疲れてるのかな……」
私は会社に出勤したものの、昼食を半分ほど残した。
午後になると、お腹の奥が重く感じられた。
3日目には食欲まで落ちた。
それでも熱はなく、歩けないほどの痛みでもなかったため、病院へ行くのを先延ばしにしてしまった。
4日目の朝、吐き気まで出てきた。
さすがに不安になり、近所の内科を受診した。
「今日はどうされましたか?」
診察室で医師に尋ねられ、私は症状を説明した。
「4日前からお腹が張って、時々痛むんです」
「便は出ていますか?」
「普段より少ないです」
「吐いたことは?」
「まだありません。でも、昨日から気持ち悪くて」
医師はお腹を診察したあと、レントゲンを撮ることになった。
検査が終わり、診察室に戻ると、医師は画像を確認していた。
そして突然、こう尋ねた。
「この4日間、ご自宅では1人でしたか?」
私は驚いた。
「はい。夫は出張中なので」
「そうですか……」
医師は画像を見つめたまま、黙ってしまった。
「先生、それが何か関係あるんですか?」
「症状が悪くなったとき、すぐに助けを呼べる状況か確認したかったんです」
その答えを聞いて、胸がざわついた。
「私、そんなに悪いんですか?」
「今の段階では決めつけられません。もう少し確認させてください」
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