洗濯機のふたを開けた瞬間、私は何が起きたのか理解できなかった。
洗濯槽の内側に、白い紙くずがびっしり付着していた。
シャツにも、タオルにも、細かい紙の繊維が絡みついている。
「えっ、何これ……?」
最初はポケットにティッシュでも入っていたのかと思った。
洗濯物と一緒にティッシュを洗ってしまうことは、たまにある。
しかし、今回は明らかに様子が違った。
紙くずの量が尋常ではない。
恐る恐る洗濯物を持ち上げると、底のほうに緑色の塊が見えた。
「……うそだろ」
手を伸ばして取り出した瞬間、全身から血の気が引いた。
それは、私が仕事で使っている資格のテキストだった。
水をたっぷり吸った本は、もはや元の形を保っていなかった。
ページは膨張し、端は波打ち、紙の層が何枚もめくれている。
表紙の一部も破れ、触るたびに白い繊維が落ちてきた。
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