引っ越してきた当初、隣の家について特に気になることはありませんでした。
挨拶をすれば普通に返してくれるし、生活音もそこまで大きくない。こちらも近所付き合いはほどほどでいいと思っていたので、特別深く関わることもなく、平和に暮らしていました。
ところが、ある朝のことです。
ゴミ出しに出ようと玄関を開けた瞬間、私は思わず足を止めました。
隣の家の前が、明らかに昨日までと違っていたのです。玄関先には見慣れない荷物が積まれ、庭には謎の道具。さらに敷地の境界あたりに、こちらへはみ出すような形で何かが置かれていました。
「え、これ……うちの敷地に入ってない?」
最初は見間違いかと思いました。けれど、よく見ると境界ブロックのこちら側に、確かに物が乗っている。しかも1つではなく、いくつも。
正直、最初は笑ってしまいました。
「隣の家、やばいな」
そう思って写真を撮ったのですが、時間がたつにつれて笑えなくなってきました。風が吹けばこちらに倒れてきそうだし、通路をふさぐような位置にもなっている。もし子どもや配達員さんが通ったときにぶつかったら危ない。
ただ、ご近所トラブルにはしたくありませんでした。いきなり怒鳴り込むのも違う。そこで私は、まず境界が分かる写真を撮り、置かれている物の位置を記録しました。日付と時間も残しておきました。
その日の夕方、隣の方が外に出ていたので、できるだけ穏やかに声をかけました。
「すみません。こちらの物なんですが、少しうちの敷地側に入っているみたいで……」
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