我慢の限界でした。
うちの隣には、小さな美容室があります。最初は「おしゃれなお店が隣にできたんだな」くらいに思っていました。ところが、営業が始まってしばらくすると、毎日のように妙な匂いが流れてくるようになりました。
最初に気になったのは、タバコの匂いでした。
換気扇の位置がこちら側に向いているのか、夕方になると窓の隙間から、焦げたような煙の匂いが入り込んできます。
洗濯物にも少し匂いが移るし、部屋でご飯を食べていても鼻につく。何度か窓を閉めたり、空気清浄機を強にしたりしてやり過ごしていました。
でも、問題はそこからでした。
ある日を境に、タバコの匂いに混じって、今度は強烈な香水のような匂いがするようになったのです。甘くて重くて、鼻の奥に張り付くような匂い。おそらくタバコの匂いをごまかすために、店の外や入口付近に何かを振りまいているのだと思いました。
それがまた、ひどい。
夜、店を閉める前になると、まるで霧吹きで空気ごと塗りつぶすように匂いが広がります。窓を閉めていても入ってくるほどで、私は何度も頭痛がしました。気分が悪くなって、夕飯を途中で残した日もあります。
最初は直接言うのをためらいました。
近所ですし、揉めたくありません。美容室にはお客さんも来ます。こちらが神経質だと思われるのも嫌でした。
でも、ある夜、ベランダに干していたタオルを取り込んだ時、はっきりと香水の匂いが染みついていました。その瞬間、もう無理だと思いました。
私は紙にこう書きました。
「タバコと香水の匂いが室内まで入ってきて困っています。
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