1978年。雑誌の対談企画で撮られた一枚の写真。19歳の山口百恵と、20歳の夏目雅子。
まだ少女の面影を残しながら、すでに大人の覚悟を纏ったふたり。並んで微笑むその表情に、当時を知る誰もが息をのんだ。
「美しい」という言葉だけでは足りない。この一瞬には、“生き方”が写っていた。
百恵は、すでにトップアイドルとして絶頂期にいた。歌えばヒット、ドラマに出れば高視聴率。しかし、華やかさの中で彼女は早くも「静かな人生」を願っていた。
一方、夏目雅子はデビュー間もない新星。その透明感と知性、そして少し影のある微笑みに業界中が注目していた。
ふたりは同世代。同じ時代の光を浴びながら、まったく違う場所で輝こうとしていた。
この写真を撮った数年後。山口百恵は、人気の絶頂で芸能界を引退。「私は愛する人の隣で生きていきたい」──そう言い残してステージを去った。
19歳で国民的スターとなり、21歳でマイクを置いた。
“愛”を選んだ彼女の決断は、昭和の女性像を大きく塗り替えた。
そして、その頃。夏目雅子は女優として一気に開花。『西遊記』で三蔵法師を演じ、強く、美しく、そして誰よりも自由な存在として視聴者を魅了した。
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