昔、知人にお金を貸したことがある。
最初は、そこまで大きな話にするつもりはなかった。相手は昔からの顔見知りで、「急に支払いが重なって、今月だけどうしても苦しい」と頭を下げてきた。金額は15万円。私にとっても軽い額ではなかったが、「来月末には必ず返す」と何度も言われ、借用書も簡単に書いてもらった。
その時は、まさかこんなに面倒なことになるとは思っていなかった。
約束の月末になっても、返済はなかった。こちらから連絡すると、「ごめん、あと1週間だけ待って」と返ってきた。1週間後には「親のことでバタバタしている」。その次は「仕事の入金が遅れている」。言い訳は毎回変わるのに、お金だけは一向に戻ってこなかった。
最初の数か月は、私も強く言えなかった。困っているなら仕方ない、もう少し待とうと思っていた。でも半年を過ぎた頃、相手の投稿を見てしまった。新しいスマホを買い、旅行に行き、外食の写真まで載せていた。
その瞬間、さすがに胸の奥が冷えた。
私は電話をした。
「貸した15万円、そろそろ返してほしい」
すると相手は、面倒くさそうな声で言った。
「今それ言う?こっちにも事情があるんだけど」
私は怒鳴らなかった。ただ、借用書の日付と金額、これまでのメッセージを確認しながら、返済予定日をもう一度決めたいと伝えた。相手は渋々「来月10日」と言った。
しかし、その日も振り込みはなかった。
その後も連絡は既読無視。電話にも出ない。仕方なく、私は「返済について一度話し合いたい」と短いメッセージを送った。
数日後、家のポストに封筒が入っていた。
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