今日、息子にとって初めての運動会だった。
朝から私は、本人よりもそわそわしていた。小さな体操服に袖を通す息子を見ながら、何度も「大丈夫かな」「泣かないかな」と心配していた。息子はというと、いつもより少し早く起こされたせいか、朝ごはんの途中からすでに目がとろんとしていた。
「今日は運動会だよ」
そう声をかけると、息子は眠そうにうなずいた。
保育園に着くと、園庭には色とりどりの旗が揺れていた。先生たちは笑顔で子どもたちを迎え、保護者たちはスマホやカメラを構えて、少し緊張した顔でわが子の出番を待っていた。
息子のクラスの種目は、「お布団のお山であそぼう」という、まだ小さい子たちらしい可愛い競技だった。ふかふかの布団を山のように重ね、その上をよじ登ったり、ころんと転がったりして、最後に先生のところまで行くというものだった。
名前を呼ばれた息子は、先生に手を引かれて登場した。
その時点で、すでにちょっと眠そうだった。
私は夫と顔を見合わせた。
「大丈夫かな」
夫は笑いながら言った。
「まあ、行けるでしょ」
スタートの合図が鳴った。
周りの子たちは、よいしょ、よいしょとお布団の山に向かっていった。泣いてしまう子もいれば、楽しそうに笑う子もいた。どの子も小さくて、一生懸命で、それだけで会場がやさしい空気に包まれていた。
息子も最初は、先生に促されながらお布団の山に手をついた。
「がんばれー」
私たちは小さく手を振った。
息子は一度こちらを見た。
そして、ふかふかのお布団に顔をうずめた。
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