焦った。
コインパーキングの精算機に駐車券を入れた瞬間、画面に見慣れない金額が表示された。
「え、3万2,400円?」
思わず声が出た。
私はたった2時間ほど買い物をしていただけだった。最大料金もある駐車場で、普通なら1,000円前後のはず。それなのに、画面にはあり得ない金額が赤い数字で出ていた。
後ろにはすでに2人並んでいた。
焦って財布を開けたり、駐車券を取り出そうとしたりしていると、後ろの男性が少しイライラした声で言った。
「早くしてもらえます?」
私は「すみません」と小さく頭を下げた。
もう一度画面を見ると、入庫日時が数ヶ月前になっていた。
そこでやっと気づいた。
「あ……これ、前の駐車券だ」
バッグの内ポケットに入れっぱなしになっていた、数ヶ月前の駐車券を間違えて入れてしまったのだ。今日の駐車券は、レシートと一緒に財布の別ポケットに入れたはずだった。
慌てて探したが、なかなか見つからない。
後ろの女性が小さくため息をついた。
男性はさらに言った。
「払えないなら、先にどいてくださいよ」
その言い方に少し胸が痛んだが、確かに私が詰まらせているのは事実だった。
私は一度横にずれ、バッグの中身を確認した。
財布。
買い物袋。
スマホ。
古いレシート。
ポイントカード。
手が震えて、余計に見つからない。
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