私の母は、子どものころから「あなたのため」と言いながら、私の行動を細かく決める人だった。
進学先、就職先、付き合う友人、給料の使い道まで口を出した。
社会人になって家を出たあとも、支配は終わらなかった。
「給料明細を見せなさい」
「休日は実家へ戻りなさい」
「親の電話を無視するなんて普通ではない」
断ると、長文のメッセージが何十件も届いた。職場へ電話されたこともある。
私が体調を崩して連絡を減らすと、母は親戚へ「娘が男に洗脳された」と言い回った。事情を知らない親戚から、親孝行を求める電話まで来るようになった。
それでも私は、母を完全には嫌いになれなかった。
育ててもらった記憶も、病気のときに看病してもらった記憶もある。
だから着信拒否をしては解除し、もう1度話し合えば分かってくれるかもしれないと期待した。
しかし話し合いのたび、最後は同じ言葉で終わった。
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