「車を盗まれてから、今日でちょうど約2ヶ月が経った……。あの日の絶望感は、今でも忘れない。」
悪夢は突然やってきた。 我が家のガレージに停めてあった、夫の車と私の愛車の2台が同時に盗み去られたのだ。 警察に被害届を出したものの、犯人が見つかる気配は一切なく、夫の車は数日後に凄まじい大破状態で「廃車」として発見されるという最悪の展開を迎えた。
私の愛車も、もう二度と戻ってこないだろうと諦めかけ、泣く泣くディーラーで新しい新車を注文したばかりだった。
そんなある日、警察から1本の電話が入った。
「お宅の車によく似た車両が、普通の駐車場で見つかりました」
え……? 信じられない思いで急いで現場に向かった私を待っていたのは、目を疑うような光景だった。 なんと、私の愛車が、何食わぬ顔で普通の青空駐車場にポツンと停められていたのだ!
しかも、驚くべきことに、車体はまさかの完全無傷。 2ヶ月もの間、盗難車として手配されていたにもかかわらず、誰も不審に思うことなく、まるで最初からそこにいたかのように日常の風景に溶り込んで2ヶ月間そのまま放置されていたらしい。
「いったいどういうこと……?」
奇妙なことに、その発見現場は、夫の車が無残な事故車両として見つかった現場のすぐ近くだった。 夫婦の車が揃って同じエリアに集められていたという事実だけでも不気味だが、夫の車がボロボロの廃車になったのに対し、私の愛車が無傷で戻ってきたコントラストには、思わず笑いがこみ上げてきた。
しばらくして、私はその理由を悟って爆笑してしまった。
私の愛車は、最高速度がせいぜい45キロしか出ないような個性的な超小型モビリティ(あるいはコミカルな小型車)だった。 「もしかして泥棒、この車で逃走しようとしたものの、あまりのスピードの出なさにイライラして『使い物にならねぇ!』と途中でブチギレて乗り捨てたのでは……?」
そう想像すると、犯人の間抜けな姿が目に浮かんで仕方がなかった。
怒りを通り越して、シュールすぎる展開に笑いが止まらなかった。
いずれにせよ、最愛の相棒が無事に帰ってきたのは奇跡としか言いようがない。 ……ただ、一つだけ大きな問題がある。 「やばい、数日前に慌てて注文しちゃった新しい新車の契約、急いでキャンセルしないと大変なことになる!」
愛車との思わぬ再会に胸をなでおろしながら、私は冷や汗と笑い交じりでディーラーへ走った。 「おかえり、私の愛しの相棒……!もう勝手にいなくなっちゃダメだよ!」