朝から天気が良かったので、久しぶりに布団を干そうと思った。
いつものように2階のベランダへ行き、手すりを拭こうとした瞬間――
私は動けなくなった。
「……え?」
そこには、はっきりとした足跡が残っていた。
最初は「子どもが遊んだのかな」と思った。
でも、すぐに違和感を覚えた。
うちの子どもたちは、絶対にこんな場所には登らない。
危ないから何度も言い聞かせているし、ベランダの手すり付近で遊ぶこともない。
なのに……
なぜ、ここに足跡があるの?
しかも、その場所はベランダの内側ではなく、手すりの近く。
普通に生活していたら、わざわざ足を置かない場所だった。
私は急に怖くなった。
「誰か……入った?」
頭の中にいろんな可能性が浮かんだ。
最近、近所で変な話を聞いたこともあった。
夜中に家の周りを歩いている人を見たとか、不審な物音がしたとか。
もちろん、この足跡だけで誰かが侵入したと決めつけることはできない。
でも、家族を守る立場としては、笑って済ませることができなかった。
すぐに夫へ写真を送った。
「これ、どう思う?」
数分後、夫から返事が来た。
「……これ、本当に人の足跡?」
その一言で、さらに不安になった。
夫も最初は冗談だと思ったらしい。
でも写真を拡大すると、確かに靴底のような模様が見える。
私はその日のうちに、家の周囲を確認した。
すると、ベランダへ続く場所には、意外な原因があった。
隣家との境目付近に置いていた物置。
そして、その横にある低い屋根。
そこからなら、ベランダ側へ近づける可能性があることに気づいた。
「まさか……ここから?」
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