「先生、これのどこが間違いなんですか?」
小学2年生の息子が、泣きそうな顔でテスト用紙を差し出してきた。
そこには、100円玉の問題と、赤い大きなバツ印がついていた。
問題文はこうだった。
「あきらくんは、100円玉を3枚持っています。そのうち1枚をお母さんにあげました。あきらくんは何円持っていますか?」
息子の答えは「200円」。
ところが、先生の採点は不正解。
しかも、赤字で「よく問題を読もう!」と書かれていた。
私は最初、息子が問題を読み違えたのかと思った。
「もう一度、問題を読んでみて」
息子は指で文字を追いながら、ゆっくり読み上げた。
「100円玉を3枚持っていて、1枚をお母さんにあげたんだから……2枚残るでしょ?」
「そうだね。じゃあ、いくら残る?」
「200円!」
息子は自信を持って答えた。
私はテスト用紙をもう一度見つめた。
やっぱり、何も間違っていない。
「どうして先生はバツにしたの?」
そう聞くと、息子はうつむいた。
「先生に聞いたら、『よく問題を読もう』って言われた。みんなの前で、もっと勉強しなさいって……」
その言葉を聞いた瞬間、私は胸が痛くなった。
間違えたなら、もちろん教えてもらえばいい。
でも、正しい答えを書いた子が、間違いだと決めつけられたら?
しかも、先生からそう言われたら、子どもは自分の答えに自信を持てなくなってしまう。
私は感情的にならないように、息子に言った。
「大丈夫。お母さんと一緒に確認しようね」
翌日、私はテスト用紙を持って学校へ向かった。
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