離陸して、まだ5分もたっていなかった。
私は飛行機の窓側の席で、少しだけ目を閉じていた。
朝から移動が続いていて、少し疲れていたのだ。
午後2時35分発の便。
窓側を選んだのには理由があった。
私は飛行機から見える景色が好きだった。
離陸した直後の街並み。
少しずつ小さくなっていく建物。
雲の上に出た瞬間の青空。
何度飛行機に乗っても、あの光景にはわくわくする。
だから今回も、わざわざ窓側の席を予約していた。
ところが、目を開けた瞬間、私は違和感を覚えた。
「……あれ?」
さっきまで見えていた外の景色が、なくなっていた。
窓のシェードが完全に下がっていたのだ。
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