午後6時03分。
東京駅のホームにいた私は、目の前で起きた出来事に思わず声を上げた。
「危ない!」
高崎線の電車が発車しようとしていた。
帰宅ラッシュの時間帯。
ホームには会社員や学生が多く、車内もかなり混雑していた。
私は次の電車を待つつもりで、ホームの端に立っていた。
そのとき、発車メロディーが終わった。
「ドアが閉まります。ご注意ください」
アナウンスが流れ、乗降口のドアが動き始めた。
ところが、その直後だった。
40代くらいの女性が、大きなカバンを持って走ってきた。
「えっ、今から乗るの?」
私は思わず目を疑った。
女性は閉まりかけたドアに向かって、そのまま体を滑り込ませた。
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