朝、スマートフォンを開いた私は、自分のプロフィールを見て固まった。
誕生日が、なぜか「2006年10月18日」になっていたのだ。
つまり私は、突然「ピチピチの20歳」になっていた。
「えっ……誰が変更したの?」
昨日まで、私の誕生日は12月30日だった。家族も友人も知っている、間違いのない日付だ。
ところが、SNS上ではすでに多くの人が、10月18日生まれだと思っているらしい。
「お誕生日おめでとうございます!」
「20歳、若いですね!」
「今日は何をして過ごすんですか?」
次々に届くお祝いのメッセージ。
ありがたい気持ちはあった。
しかし、本人としては、まったく誕生日ではない。
しかも変更された日付は、よりによって2006年10月18日。
年齢まできっちり20歳になる設定だった。
「これはエイプリルフールのサプライズですか?」
「それとも、誰かの悪意ですか?」
冗談のように思いながら、プロフィールの編集画面を開いてみた。
ところが、こちら側からはなぜか変更できない。
何度試しても、正しい誕生日に戻せなかった。
その間にも、通知は増え続けていく。
私は海浜幕張で開催されるゲームマーケットへ向かう予定だった。
到着予定時刻は11時。
少なくとも、寝込んでいるわけでも、20歳の誕生日を祝っているわけでもない。
むしろ朝から元気に出かける準備をしていた。
「今日が誕生日ではありません」
「本当の誕生日は12月30日です」
そう説明しながら、届いたお祝いには一つひとつ感謝を伝えた。
ただ、どう考えても、自分の意思で変更した記憶はない。
「これは乗っ取りでは?」
そう思わずにはいられなかった。
さらに、プロフィール写真には、7月に交通事故に遭い、廃車になった私の車が表示されていた。
誕生日は勝手に20歳へ変更。
写真は事故で失った車。
まるで誰かが、私のアカウントを使って、意味の分からない設定に書き換えているようだった。
本来の誕生日に戻せないまま、私は“10月18日生まれの20歳”として、未来のお祝いを受けることになった。
「12月30日の未来日記として、ありがたく受け取ります」
そう投稿して、ようやく誕生日を修正できた。
結局、なぜ変更されたのかは分からない。
ただ、正しい日付に戻せたことで、ひとまず一安心。
お祝いしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
そして、もしまた誕生日や写真が勝手に変わっていたら……今度こそ、本気で乗っ取りを疑います。