「近いんだから大丈夫だって!」
ホームセンターの駐車場で、年配の男性の声が響いた。
振り向くと、男性が買い込んだ荷物を車に押し込んでいた。運転席には奥さんらしい女性が座っている。
「でも、これじゃ後ろが見えないわよ」
女性が振り返ると、男性は荷物を押さえながら言った。
「前を見て走ればいいんだよ」
思わず足が止まった。
大丈夫だろうか。店員さんに伝えようか。
迷っている間に男性が助手席へ乗り込み、車は出口へ向かってしまった。
ところが、出口の手前でブレーキランプがついた。
車は動かない。
後ろに続いた車が、短くクラクションを鳴らした。
私は近くでカートを整理していた店員さんに声をかけた。
「あの車、荷物で後ろが見えないみたいで……」
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