「え……うちの車、どうなってるの?」
数年前、愛犬を連れて伊豆方面へドライブ旅行に出かけた日のこと。 箱根関所跡で観光を楽しみ、愛犬と一緒に駐車場へ戻ってきた私は、目の前の光景に言葉を失った。 青い愛車のフロントバンパーは大きく変形し、ヘッドライトの下は割れ、部品がぶら下がっていた。 「嘘でしょ……。さっきまで普通に走れていたのに」 隣に停められていたのは、レンタカーだった。
どうやら、駐車中にぶつけられてしまったらしい。 せっかくの旅行が、一瞬で事故処理に変わった。
私はまず警察に連絡し、事故の状況を説明した。 その後、保険会社への連絡や車の状態確認、レッカーの手配と、次々に対応しなければならなかった。 愛犬は何が起きたのか分からず、私の足元で不安そうにこちらを見上げている。 「大丈夫だよ。もう少しだけ待ってね」 そう声をかけながら、私は必要な手続きをひとつずつ進めた。
ようやく事故処理が一段落したのは、13時頃だった。
普通なら、ここから代車に乗って帰るか、旅行を続けるかを考えるところだろう。 ところが、私たちにはひとつ大きな問題があった。
愛犬を乗せられる代車が見つからない。
保険会社に事情を説明しても、すぐに条件に合う車が用意できるわけではなかった。 近くで借りられる車があっても、ペットの同乗が認められるとは限らない。 愛犬を連れている以上、どんな車でもいいというわけにはいかなかった。
「ペットも一緒に乗れる車はありませんか?」 私は何度も確認した。
しかし、すぐには見つからない。
時計を見ると、もう午後1時を過ぎていた。
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